物の運動のイメージ 〜一般的な運動〜

ここでは一般的な運動について勉強します。
今までは一定の力が働いている場合についてだけ勉強してきましたが、一般的には力は常に一定ということはなくて時間によって変わります。
ここではそういう、力が時間によって変わる場合について勉強します。
これが分かれば、運動に関する理解はほとんど完璧になります。


これまで、物の運動について勉強してきました。
それらの中で、分かったのは、物は力が働いている方向に動き出し、力が働いている方向に対して加速したり、減速したりする、ということでした。
それらを使えば、物の一般的な運動について理解することができます。

考えているのは凸凹のある坂に置いてあるボールです。
坂なので、ボールは基本的には坂を下る方向に動きますが、時々ある山やくぼみの部分で減速したり加速したりします。
山を登るときは上り坂なので減速し、くぼみに落ち込むときは下り坂なので加速します。
下の図のような感じです。

真横から見た図

斜め上から見るとこうなります。

斜め上から見た図

真上から見るとこうなります。

真上から見た図

それでは実際にボールの運動を勉強していきます。
アプレットはすべて真上から見た図になっています。


画面内にボールとそれに働いている力が描かれています。
ボールに力が働いているので、もちろんボールは動き出します。
もちろん動き出す方向は力が働いている方向です。
ボールがどの位置にきそうか、試しに画面をクリックしてみてください。
クリックしたら、今度はクリックした先にボールが来たときにどんな力が働くか図に描かれます。
その力を見て、今度はどこにボールがきそうか、また考えてクリックしてみてください。
それをくりかえせばボールがどの辺りを通りそうか、予測をすることができます。
画面内に青で描かれた線が、あなたがボールはここを通ると予想した線です。
画面には40回まで予測して線を引けます。
ある程度予測したら、今度は画面の左上端にある"start"と書かれたボタンをクリックしてみてください。
そうすると、今度はコンピュータが正確に計算して予測した、ボールの運動が見れます。
実際にボールがこのような力を受けたら、こういう運動をする、ということです。
何度かやって、自分でもコンピュータの予測する線と結構似ている線を描くことができるように練習してみてください。
これが物の運動を予測する、あるいは理解する、ということです。
実際にボールを動かしてみなくても、それがどんな運動をするのかあらかじめ予測することができるのです。



今度は速度が図示されています。
さっきと同じように、ボールがどこに進むのか予想してそこをクリックしてみてください。
そうすると今度は、ボールがそこに進んだときにどのような速度になるのかが図示されます。
図に描かれているのは速度なので、基本的にはただその速度の方向に動かしていけば、だいたい正しく運動の様子を予測できます。
一通り予測したら"start"ボタンをクリックして、実際にどのような運動をするか見てみてください。



今度は速度と力のどちらもが同時に図に描いてあります。
赤が力で緑が速度です。
力は速度を変え、速度はボールの場所の変化に直接影響します。
だいたい、できるだけ小さな幅でちまちまと動かしていけばボールの運動の様子を正しく予測できます。
基本的には速度の方向にボールは動きますが、力によってちょっと速度が変化するので、心もち速度の方向そのままじゃなくて、力のかかっている方向にボールを動かしてみてください。


さて、ひとまず一般的な運動について、その運動の様子を予測する練習をしました。
これからはその予測の仕方により慣れるために、簡単な例から初めて、どんどん難しい運動を扱っていきます。
まず最初にやるのは、最も簡単な例として、等速直線運動について運動を予測していきます。


このアプレットでは、ボールには力は働いていないので、始めに持っていた速度は変化しないで動き続けます。
なので、運動の様子を予測するのはとても簡単だと思います。
単純に速度の方向に同じ速度で動き続けるというだけです。
これは坂で例えると完全に平らな床の上でのボールの運動です。

次の例は、速度の方向と一直線上にある向きにだけ力が働いています。
それは、速度と同じ方向か、反対向きかのどちらか、ということです。
速度と同じ方向に力が向いているときは、ボールは加速して、速度と逆向きに力が働いているときは減速します。
やはり運動は一直線上のみなので、運動を予測するのは簡単だと思います。
力と速度が同じ方向のときは、速度の方向に動き続けるだけです。
ただし速度は加速し続けます。
力と速度が違う方向のときは、始めはだんだんと速度が小さくなっていって、やがて止まり、そこから力の方向に加速し始めます。


次の例では力は下向きにだけ働いています。
これを重力だと思ってください。
そうすると、このアプレットの運動は物を空中に投げ上げる運動を表していることになります。
常に重力が働いているので、物はどんどん下向きに加速されます。
つまり、物は重力が働いていなかったら進むと思われるところよりも、やや下に進みます。
それを意識して、下のアプレットを使って運動を予測してみてください。



これまでの練習でだいぶ物の運動の様子を予測する練習になったと思います。
これまでは、だいたいの感覚で運動の様子を予測してきました。
それは日常生活において、物の運動を理解するのにはとても役に立つのですが、少し正確さに欠けます。
これからはそれをできるだけ正確にできるようになる方法を紹介します。

できるだけ正確に運動の様子を予測したいなら、できるだけ細かい幅で物の動きを考えていくのがいいのは経験上分かったと思います。
なので、今物がどこにあって、どのような速度で動いていて、どのような力が働いているかをまず確認し、短い時間がたったら、その物がどこに行くのかを考えます。
そのときは速度だけを考えて力の影響は完全に無視します。
短い時間の間には、速度の変化は非常に小さくなるからです。
その後で力の影響を考えて速度を変えます。
これをできるだけ沢山、短い時間の間隔で行うと運動の様子をとてもよく予想できるようになります。
それを下のアプレットで体験してみてください。

アプレット貼り付け予定地。


このページで使われているアプレットのソースコードです。
バックアップの意味をかねて載せておきます。
参考にしたい人はしてみてください。
generalmotion1.java
generalmotion2.java
generalmotion3.java
generalmotion4.java
generalmotion5.java
generalmotion6.java


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