物理に必要な数学 〜関数〜

関数とは数と数の間の対応規則のことです。
前項までは四則演算と代数について勉強してきました。
それらは2つの数の間の対応関係でした。
関数とはもっと一般的な数と数の間の対応規則のことです。


関数とは数と数の間の対応規則のことです。
そういう考え方は日常生活にも深く入り込んでいます。
例えば次のような対応規則があります。
これは→の左側の数字が右側の数字に対応する、という対応規則です。
なので、→の左側の数字が関数の対応規則で対応させる前の数、右側が対応させた後の数、ということです。

85→5
47→3
55→3
76→4
27→2

これは85が5に対応し、47が3に対応し、55が3に対応し、76が4に対応し、27が2に対応するという対応規則です。
これらはただの一例です。
もっと沢山の例は下のアプレットで見ることができます。
様々な数字を打ち込んで、それが何に対応するかを試してみてください。


再計算のボタンをクリックすると、コンピュータがランダムに数字を選んで、→の左に対応させる元の数、右に関数で対応した後の数を表示させます。
自分で数字をキーボードから打ち込めるようにも、そのうちしたいです。

十分試してみましたか?
この関数は、0から100までの数字を1から5までの整数に対応させる関数です。
試しているうちにある程度の法則に気づいたかもしれませんが、この関数は、0から19までの整数を1に、20から39までの整数を2に、40から59までの整数を3に、60から79までの整数を4に、80から100までの整数を5に対応させます。
これは100点満点のテストを5段階評価で成績をつける、という関数です。
テストの点に対応して、1、2、3、4、5の成績がつきます。
0から100の間にない数が対応する数はありません。
なぜなら、テストでは常に0点から100点の間の点数しか取りえないので、その範囲の外の数に、例えば6などを対応させてしまっては、5段階評価としてはおかしなことになるからです。
このように、数に数を対応させる対応規則のことを関数と呼ぶのです。

このように、関数とは数と数の対応規則のことです。
テストの点と成績の間にはある決まった規則があります。
成績は、その点数が100点満点中でどの範囲にあるか、によって決まります。
そこにはちゃんとした規則があったのですが、もっと分かりやすく、どの点数にどの成績が対応するのか、早見表のようなものがあると便利ですね。
その早見表は次のようになります。

0→1、1→1、2→1、3→1、4→1、5→1、6→1、7→1、8→1、9→1
10→1、11→1、12→1、13→1、14→1、15→1、16→1、17→1、18→1、19→1
20→2、21→2、22→2、23→2、24→2、25→2、26→2、27→2、28→2、29→2
30→2、31→2、32→2、33→2、34→2、35→2、36→2、37→2、38→2、39→2
40→3、41→3、42→3、43→3、44→3、45→3、46→3、47→3、48→3、49→3
50→3、51→3、52→3、53→3、54→3、55→3、56→3、57→3、58→3、59→3
60→4、61→4、62→4、63→4、64→4、65→4、66→4、67→4、68→4、69→4
70→4、71→4、72→4、73→4、74→4、75→4、76→4、77→4、78→4、79→4
80→5、81→5、82→5、83→5、84→5、85→5、86→5、87→5、88→5、89→5
90→5、91→5、92→5、93→5、94→5、95→5、96→5、97→5、98→5、99→5
100→5
これ以外の数に対応する数はない。

これがテストの点に成績をつける関数のもつ対応規則のすべてです。
これ以外の対応規則はありません。
なぜならテストの点は0点から100点までの間の整数だからです。
小数になったりマイナスになったり、100点より大きな点数がついたりすることはありません。
だから、この表の中に書かれている対応規則を使えば、常にテストの点に成績を対応させることができます。
ということはつまり、ここに書かれている101個の矢印で表された対応規則、0に1、1に1、24に2、96に5、などを対応させるという規則そのものが関数だ、と言えます。

このように、どんな数にどんな数を対応させるのか、その対応規則を関数と呼びます。
逆に言えば、どんな数にどんな数を対応させるのかを決めることで、自分で自由に関数を作ることもできます。
例えばこんな関数はどうでしょう。

さっきの関数とだいぶ似てますが、よく見ると違いが分かると思います。
さっきと同じように早見表をつくってみます。

0→1、1→1、2→1、3→1、4→1、5→1、6→1、7→1、8→1、9→1
10→2、11→2、12→2、13→2、14→2、15→2、16→2、17→2、18→2、19→2
20→2、21→2、22→2、23→2、24→2、25→2、26→2、27→2、28→2、29→2
30→2、31→2、32→2、33→2、34→2、35→2、36→2、37→2、38→2、39→2
40→3、41→3、42→3、43→3、44→3、45→3、46→3、47→3、48→3、49→3
50→3、51→3、52→3、53→3、54→3、55→3、56→3、57→3、58→3、59→3
60→3、61→3、62→3、63→3、64→3、65→3、66→3、67→3、68→3、69→3
70→4、71→4、72→4、73→4、74→4、75→4、76→4、77→4、78→4、79→4
80→4、81→4、82→4、83→4、84→4、85→4、86→4、87→4、88→4、89→4
90→5、91→5、92→5、93→5、94→5、95→5、96→5、97→5、98→5、99→5
100→5
これ以外の数に対応する数はない。

さっきと似ていますが、少し違います。
さっきは10から19までは1に対応していましたが、今は2に対応しています。
それに60から69、80から89までの数に対応する数も違います。
このように、自分で自由に作った対応規則も、もちろん関数です。
この対応規則を何に使うかは分かりませんが、とにかくこの規則に従って、ある数にある数を対応させることができます。
数と数の対応規則のことを関数と言うのですから、これはもちろん関数です。

この新しく考えた関数は、もちろんきちんとした関数です。
ですが、今のままでは、ただの数に、やはりただの数が対応しているだけですから、どうにもあやふやなイメージしか持てないかもしれません。
ですが、数学とはこういうものです。
数と数の間に、きちんとした論理的なつながりを作れるのですから、数学としてはさっきまでのテストの点に成績を対応させる関数も、今考えた新しい関数も、どちらもきちんとした関数です。
このようにして、数学的な構造というものは作られていくのです。

しかし、やはりもっと具体的な意味を持たせた方が、感覚的には分かりやすいものです。
今の場合は、さっきまでの関数と比べて、1と5に対応する数の種類が減って、2、3、4に対応する数の種類は増えました。
これがさっきまでの関数とは違った、この関数の特徴です。
これを例えば、テストの成績をつけるのに使ったらどうなるでしょうか。
もちろん、1と5の成績を取る人が少なくなります。
それはどういうことかと言うと、テストの点によって、極端な成績がつく人が少なくなる、ということです。
もしある先生がテストをして、難しく作りすぎたせいで平均の点数が低くなってしまった時に、ただ単に採点を甘くして、1を取る人を減らすのはいけないな、と思ったら、こういう関数を使ってテストの点を成績に対応させようとするかもしれません。

こうすると、この新しい対応規則にも、きっちりしたイメージが持てると思います。
ただ注意して欲しいのは、数学を勉強しはじめたばかりの頃は、こういうきっちりしたイメージを持つようにした方がいいと思いますが、ある程度勉強したら、逆に数と数の対応を、そのまま数と数の対応として受けとめるようにしないといけません。
それが数学というものだからです。


他にも様々な関数を考えることができます。
例えば次のようなものを考えることができます。

1→2
2→4
3→6
4→8
5→10

数がその倍の大きさの数に対応しています。
つまり、この関数はある数に、その数に2を掛けた数を対応させる対応規則です。
これはこの関数の持つ対応規則のほんの一部に過ぎないので、もっと多くの対応規則の例を見るためには、下のアプレットを使ってください。

他にも次のような関数を考えることができます。

1→1
2→4
3→9
4→16
5→25

この関数は、ある数に、その数自身を掛けた数、つまり2乗を対応させるという対応規則です。
つまり、1には1×1、2には2×2、3には3×3、4には4×4、5には5×5を対応させるのです。
やはり、下のアプレットでもっと沢山の例について見てみてください。

さて、これらの関数にも、テストの点数に成績を対応させる関数のときと同じように、関数によって対応する数が一目で分かるような早見表が作れたらいいと思いませんか。
できたらいいのですが、今回はそれはできません。
なぜなら、今回は関数で対応させる元の数が整数だけではなく、小数やマイナスの数など、どんな数でもいいので数え切れないほどの種類があるからです。
1→2、1.1→2.2、1.11→2.22など、いくらでも考えられます。
ですが、代表的な数字として、さっきと同じように0から100までの整数について考えてみます。
これはこの関数のすべての特徴を現しているものではなく、単にだいたいの傾向を分かりやすくするだけです。

0→0、1→2、2→4、3→6、4→8、5→10、6→12、7→14、8→16、9→18
10→20、11→22、12→24、13→26、14→28、15→30、16→32、17→34、18→36、19→38
20→40、21→42、22→44、23→46、24→48、25→50、26→52、27→54、28→56、29→58
30→60、31→62、32→64、33→66、34→68、35→70、36→72、37→74、38→76、39→78
40→80、41→82、42→84、43→86、44→88、45→90、46→92、47→94、48→96、49→98
50→100、51→102、52→104、53→106、54→108、55→110、56→112、57→114、58→116、59→118
60→120、61→122、62→124、63→126、64→128、65→130、66→132、67→134、68→136、69→138
70→140、71→142、72→144、73→146、74→148、75→150、76→152、77→154、78→156、79→158
80→160、81→162、82→164、83→166、84→168、85→170、86→172、87→174、88→176、89→178
90→180、91→182、92→184、93→186、94→188、95→190、96→5192、97→194、98→196、99→198
100→200

これはある数を、その数の2倍の数に対応させる関数の例です。
次はある数を、その数の2乗に対応させる関数の例です。
やはりだいたいの傾向を見るために、0から100までの整数についてだけ見ます。

0→1、1→1、2→4、3→9、4→16
5→25、6→36、7→49、8→64、9→81
10→100、11→121、12→144、13→169、14→196
15→225、16→256、17→289、18→324、19→361
20→400、21→441、22→484、23→529、24→576
25→625、26→676、27→729、28→784、29→841
30→900、31→961、32→1024、33→1089、34→1156
35→1225、36→1296、37→1369、38→1444、39→1521
40→1600、41→1681、42→1764、43→1849、44→1936
45→2025、46→2116、47→2209、48→2304、49→2401
50→2500、51→2601、52→2704、53→2809、54→2916
55→3025、56→3136、57→3249、58→3364、59→3481
60→3600、61→3721、62→3844、63→3969、64→4096
65→4225、66→4356、67→4489、68→4624、69→4761
70→4900、71→5041、72→5184、73→5329、74→5476
75→5625、76→5776、77→5929、78→6084、79→6241
80→6400、81→6561、82→6724、83→6889、84→7056
85→7225、86→7396、87→7569、88→7744、89→7921
90→8100、91→8281、92→8464、93→8649、94→8836
95→9025、96→9216、97→9409、98→9604、99→9801
100→10000


このように、関数とは数と数の対応規則のことです。
どの数にどの数が対応するかは、いちいち計算すれば分かります。
例えば、さっきのように、ある数にその数の2倍の数を対応させる関数で、13に対応する数を知りたいと思えば13に2を掛ければよく、26が対応すると分かります。
その他、どんな数でも、それに2を掛ければ、その関数の対応規則で対応する数を見つけることができます。

このような方法で関数という概念を理解することができます。
ですが、テストの点に成績を対応させる関数のときのように、この関数のすべての特徴を現す表し方があると便利です。
テストの点に成績を対応させるときは、テストの点数、つまり関数で対応させる前の数が、0から100までの整数で、101個の種類しかなかったのですべての関係を表に書き出すことができました。
今、関数で対応させることができる数はすべての実数なので、全部を書き出すことはできません。
なので、表を使って全ての関係を表すことはできません。
もちろん、言葉で、この関数は実数の中のある数をその2倍の数に対応させる関数である、と言えばそれで完全にこの関数の特徴を表していますが、それでは少し長いので、これからは代数のときと同じように簡単な書き方を探していきます。

今、関数で対応させる数は、すべての実数です。
1とか2とか3とか、1.11とか、−23.4とかの、数え切れないほど沢山の数です。
こういう、沢山の種類のある数の集まりをxを使って表します。
前回、代数の項目でもxが出てきました。
それは代数で、ある具体的なひとつの数字が、まだ分かっていないときに代わりに使う数でした。
しかし今はxはあらかじめ分かっている沢山の数の代わりです。
つまり、ある範囲の数の中の、どれでもいいけど、どれか1つの数、ということです。
こういう意味で、xはよく分からない数なのです。
あらかじめ分かっている範囲内にあるのですが、具体的に、例えば1とか2とか3とかの数だとはまだ分かっていないのです。
なので、前回の項目でやった代数とは違いますが、似たようなものです。
xはあらかじめ分かっている範囲の数字の中で変わっていく数だとも言えます。
変わる数なので、このxは変数と呼ばれます。

変数は代数とは違う概念のように紹介しましたが、実際には特に気にしないで使うような気がします。
というか僕自身、正直違いがあるのかどうかよく分かりません。
といのは、これは単なる言葉の定義の問題なので、どんなに理論的に考えて自分なりに定義しても、結局は辞書に書いてある定義の方が正しいからです。
それに用語というのは、人に自分の言っていることを正しく伝えるためにきちんとした定義を持っているのですから、勝手な意味で使うべきではありません。
と言いつつ、僕は勝手な意味で使ったのですが、まあ多分誰も気にしない部分だから許してください。

さて、変数xを利用して、実数の中のある数をその2倍の数に対応させる関数、をもっと分かりやすく書くことができます。
それには、新しい変数yを使ってこのように書きます。
y=2x (xはすべての実数)
括弧内にxがどの範囲の中の数字なのかを書きます。
これがないと、xが何を表しているのか分かりません。
0から100までの整数なのか、実数ならなんでもいいのか、それとも正の数でないといけないのか、などです。
今の場合は、1とか2とか2.56とか−5.98などの、実数ならなんでもいい、となっています。
yもxと同じように変数だと言っていますが、それは後で説明します。

これは、前項で勉強した代数方程式に似ています。
xとyは変数ですが、それを代数だと思うと代数の数が2つで、それが満たす関係が1つしかないのですから、この関係を満たすxとyの数を具体的に見つけることはできませんね。
逆に言えばxには、すべての実数の中から自由に選んだ数を代入することができます。
そしてある数をxに代入したら、今度はそれに対応してyが決まります。
例えば、xが1なら、y=2×1=2だし、xが3なら、y=2×3=6となります。
1が2に対応していて、3が6に対応しています。
その他、どんな数をxに代入しても、yはそれに2を掛けた数になりますね。
これはさっきの対応規則を完全に再現しています。
つまり、xが関数で対応する前の数を表していて、yが関数で対応した後の数を表しているとすると、→で対応規則を書いたらこうなるということです。
x→y、ただしxはすべての実数、yはy=2xという関係を満たす数。
xには1とか2とかの具体的な数が入り、それに従ってyも具体的な数になります。
これなら、さっきの早見表を完全に再現しますね。
そして、さっきの早見表の中に入れられなかった、小数やマイナスの数にも対応できています。
これは、この関数は実数の中のある数をその2倍の数に対応させる関数である、と言うのと、xがすべての実数を表すときy=2xという関係を満たすyがこの関数でxに対応する数である、と言うのが完全に同じ意味であるということです。

こういう書き方が関数の特徴を完全に現すというのは分かったと思います。
ここで、変数についてもう少し詳しく説明したいと思います。
変数とは、あらかじめ決まっているある範囲の中にある1つの数です。
その範囲の中なら、どの数でもいいので、ある意味、その範囲の中で変わっていくような雰囲気を持っています。
今の関数の場合、変数xはすべての実数の中にある1つの数です。
すべての実数というと、なんとなく範囲という雰囲気ではないですが、制限がないという意味で、ある種の範囲だと思ってください。
テストの点数を成績に対応させる関数のときは、ちゃんと0から100までの整数、という範囲らしい範囲がありましたね。

変数というものが、こういうものだということを確認した上で、さっきの関数を表現する方程式を見直してみます。
y=2x (xはすべての実数)
xはすべての実数を表しています。
この方程式は、その上でyはxと、y=2xという関係を持っているということを表しています。
これは、yとxの間にある数学的な構造を現しているのです。
xとは、すべての実数の中にある、ある数です。
その、ある数に2を掛けた数として、yが決まります。
yは関数で対応した後の数です。
結果的に、それはやはりすべての実数になります。
実数に2を掛けた数もまた実数だからです。
そしてxはすべての実数の中を変わっていくのですから、yもそれに従ってすべての実数の中のどれかの数になります。
そしてyとxの間には、y=2xという関係があります。
これは、xがどんな実数であっても、xとyの間にはy=2xという関係が成り立つということです。
つまり、すべての実数の中ならなんでもいい数xと、やはりすべての実数の中ならなんでもいい数yの間に、実は常に成り立つ関係がある、と言っているのです。

ここにはある種の数学的な構造があります。
それをもっと分かりやすくするため、構造が出来上がってくる様子をもっとよく見ていこうと思います。
そのためには、関数を考える前にあらかじめ、変数xと変数yを考えます。
変数xはすべての実数の中のどれかの数です。
1とか2とか2.5とか−7とかの実数の中のどれでもいい数です。
同じように変数yもすべての実数の中のどれかの数を表しているとすることができます。
つまり、1とか2とか2.5とか−7とかの実数の中のどれでもいい数です。
これはxと完全に同じものです。
使っている文字は違いますが、まったく同じものを表しています。
同じ範囲を変わっていく2つの変数ということです。

その変数xと変数yの間に対応規則を考えることができます。
xとyは関数で対応する前の数と後の数を表しているとます。
その対応規則はy=2xというものだとします。
変数を考えた後に、その変数の間の対応規則を考えるのです。
そうなると、その対応規則を考える前は、xとyはただの、実数の中のどれかの数、というだけで、他には何の特色もないただの変数だったのが、対応規則を考えた後には、xとyの間にはy=2xという対応関係が生まれます。
この対応規則は、今、自分で勝手に決めたものです。
別になんでもいいのですが、とりあえずそういう対応規則を考えてみます。
この対応関係は、始め、xとyというただの2つの変数を考えただけのときには存在していませんでした。
当然です。
今自分で作ったのですから。
2つの変数は、それぞれ何の関係もない変数でした。
それが今では、xが1のときはyが2である、というような対応規則があるのです。
その対応規則を何に使うのか、とか、何を意味しているのか、とかいった問いには今のところ意味はありません。
なぜなら、数学は論理的な関係について考える学問だからです。
とにかく、xとyの間にこのような対応規則を考えることはできるし、それによってxとyの間に数学的な構造を作ることができる、ということは確かですね。

このように関数をあらわすことができます。
他にもいろいろな関数を考えることができます。
例えば次のような関数を考えることができます。

1→12
2→25
3→44
4→69
5→100

今までよりも少し対応規則を見るけるのが難しいと思います。
これはやはり関数の対応規則の一部なので、次のアプレットでさらに多くの例を見てください。
そして、この関数を変数を使って表すとどうなるかを予想してみてください。

この関数を変数を使って表すとこうなります。
y=3x^2+4x+5 (xはすべての実数)
少し複雑になってきましたね。
先ほどの例をこの関数に代入すると、確かにこの対応規則を満たしていることを確かめてみてください。

他にも例えば、y=x^3+5x^2−2x+35 (xはすべての実数)などのような関数も考えることができます。
ちなみに、xの累乗の入った関数の場合、xの何乗が入っているかで関数を分類します。
一番大きい累乗の数字をつかって、例えばy=3x^2+4x+5 (xはすべての実数)は2次関数、y=x^3+5x^2−2x+35 (xはすべての実数)は3次関数です。
xの4乗が入っていて、5乗以上が入っていなければ4次関数、のようになります。
一般には整数の値をとる代数nを使って最大、xのn乗が入っている場合、n次関数と呼びます。
下のアプレットでn次関数のさまざまな例を見てみてください。

アプレット貼り付け予定地。


他にもこのような関数を考えることができます。
sin,cos,tan,exp,logの説明。


さて、これまでの説明で関数という考え方はよく分かったと思います。
それは数と数の間の対応規則のことでした。
関数で対応させる前の数が全部数えられるぐらいの数のときは、表にしてすべての対応規則を書き出せば具体的にどういう規則に従って数を対応させればいいのか分かりました。
対応させる前の数が全部数えられないぐらいのたくさんの数のときは、変数を使って関数を表すことができました。

この方法で実際に数と数の対応関係を見ることができます。
実際に対応させたいと思う数があったら、表から探したり方程式に代入すればいいのです。
ですが、この方法ではその関数の全体的な性質を理解するのは難しいです。
全体的な性質、というのは、その関数で、例えば0の近くの数が対応する数と、100の近くの数が対応する数ではどちらがどれだけ大きいか、などです。
もちろんどうしても知りたければ、その関数で0が対応する数も、その近くの数が対応する数も、100が対応する数も、計算したり表から見つけたりできます。
ですが、その場合に分かるのは単に数だけで、一目で内容を理解するのは難しいです。
そういう場合に関数を図に描くことができたら、一目で全体的な性質が理解できます。
その関数を図に描いたものをグラフと呼びます。
それではこれからグラフについて勉強しましょう。

これから数を図に描く方法を勉強していきます。
そのためには、ものさしを参考にするといいです。
ものさしは実際に目に見える物です。
そしてものさしには数字がふってありますね。
大概のものさしは1cm間隔で数字がふってあって、1mmまでの長さを測れます。
具体的な単位は置いておいて、ただ数字だけ眺めた場合、例えば左端から0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10と目盛りのふってある10cm定規だった場合、0の目盛りから距離が離れるほど数字が大きくなる、という規則性があります。
つまり、0の目盛りからの距離に数字を対応させているのです。
そして10cm定規は実際に目で見ることができる物です。
これを元に図を描けば、数を図に描くことができるようになります。

定規の図

それでは実際に図に描いていってみましょう。
定規では数字の大きさを0からの距離で表しました。
それをもっとシンプルにして図にするとこうなります。

数直線の図

矢印の上に目盛りがふってあります。
中心に0をふり、そこから右にいけばいくほど、大きな数を表しているとします。
単位はどうでもいいのですが、とりあえず、1cm単位で目盛りのふってあるものさしだと思ってもらっても構いません。
そうなると、0からの距離が1cmのところは1という数字を表しているし、2cmのところは2、3.5cmのところは3.5を表しています。
長さは細かく測ればいくらでも細かく測れますから、例えば0からの距離が3.14125cmのところは3.12125を表していることになります。

また、0の左側には負の数を対応させることができます。
やはり0からの距離の大きさによって数字の大きさを表しますが、それはマイナスの数です。
つまり、0から右に1cmのところには1という数字を表すのに対し、同じ1cmでも左に1cmのところは−1を表しているのです。
同じように0から左に2cmのところは−2を、3.5cmのところは3.5を表します。
このように、この線は実数すべてを表していることになります。

重ねて言いますが、別に単位はどうでもいいのです。
寸でもインチでも、なんでもいいです。
8mmごとに目盛りをふって、8mmの2倍の距離のところで2、8mmの3.5倍の距離のところで3.5を表したりできます。
とにかく、等間隔の目盛りさえあればいいのです。
別にこのようにしなければならない、ということはありませんが、このやり方は皆よく使うし、実際見やすいので、みなさんも使うようにしてください。
ちなみに、この直線には数直線という名前がついています。
数を直線で図に描いているのですから、そのままですね。

それでは、このやり方で実際にきちんと実数が表される様子を見てください。
下のアプレットを使えば、好きな数字が数直線の上のどこに対応するのかが分かります。
パソコンの画面で表示する関係で、ある程度より細かい数字は区別をつけて表示できないのですが、実際にだいたいどこにあるのか、を理解するのには役に立ちます。
いろいろな数字で試してみてください。


画面をクリックすると、数直線の上に点を打てます。
その点がどんな数字を表しているかは青い字で画面内に書かれます。

それでは、この数直線が実際に数字の便利な図示の方法になっていることを紹介します。
数直線は、例えば、2つの数字の大きさがどれだけ違うか、を理解する必要があるときに便利です。
例えば2と1の差は1です。
2−1=1だから当然です。
そして9と5の差は4です。
つまり、9と5には差が2と1の差の4倍あります。
それは計算すれば分かりますが、図で描くとそれが直感的に分かります。
他にも様々な例を自分で下のアプレットを使って見てみてください。
これなら計算が面倒な小数の場合も簡単に分かります。


画面をクリックすると数直線上に点が打てます。
4つまで点を打てて、1つ目と2つ目、3つ目と4つ目の間の距離を計算してくれます。
その数字を見れば、確かに点と点の間の距離を理解できますが、数直線上で点と点の間の長さを見比べた方がずっと直感的によく分かります。
リセットボタンを押せば、また新しく点を打てるようになります。

この数直線を使えば関数を図に描くことができます。
関数とは数と数の対応規則のことでした。
ということは、関数で対応させる前の数を一つの数直線の上で表して、対応させた後の数を別の数直線の上で表せば関数で数がどのように対応するか、その対応規則がより分かりやすくなります。
下のアプレットでは、上の数直線で関数で対応させる前の数、つまり変数xを表し、下の数直線で関数で対応させた後の数、つまり変数yを表しています。

上の数直線の近くをクリックすれば数直線上に点が打てます。
その点の表す数字に1/2掛けた数、つまりy=x/2の関数で対応する数が下の数直線上に現れます。
様々な点を上の数直線に打って、その点が関数によって、下の数直線のどこに対応するかをよく見てください。

このようにして関数を図に描くことができます。
描けるのはいいのですが、やはり少しまだ分かりにくいです。
はじめは少し難しいと思うかもしれませんが、見慣れればもっと簡単で便利な描き方があります。
それは線の代わりに平面を使う方法です。

今まで、数直線でやってきたことは、0からの距離の大きさによって数字の大きさを表す、ということでした。
そしてさっきは2本の数直線を使って2つの変数を図に描きました。
ですが、距離の大きさで数字の大きさを表すのなら、0の目盛りをふってある点からの距離ではなくて、数直線という線からの距離を使うこともできます。
どういうことかというと、1本の線を引いて、そこからどれだけ離れているかで数字の大きさを表すのです。
そういうこともやろうと思えばできます。
線の上で考えていたことを紙のような平面の面の上でやるのです。
下の図やアプレットを見てください。

図貼り付け予定地。

アプレット貼り付け予定地。

さて、それはいいのですが、線からの距離を使った場合、線から同じ距離にある点がたくさんあるので、かえって分かりにくくなったかもしれません。
あきらかに違う場所で、同じ数字を表すというのは、かえって分かりにくいと思います。
ですが、その線に数直線を使って数直線の上で1つの数字を表し、数直線からの距離でもう1つの数字を表すようにすると、とても関数が分かりやすくなります。
つまり、平面の中の点で2つの数を表すのです。
次のアプレットで実際に平面内の点で2つの数字が表されている様子を見てください。

ここまで来てやっと関数のグラフについて勉強する準備が整いました。
グラフとは関数を図に描いたものです。
そして関数は数と数の対応規則のことです。
それを図に描くためにはさっきの数直線とそこからの距離をつかって2つの数字を表す平面を使うといいです。
つまり、関数で対応させる前の数、つまり変数xを数直線、関数で対応させた後の数、つまり変数yを数直線からの距離で表すのです。
それでは、実際にアプレットを使って関数を図に描いて見ましょう。
下のアプレットでは、xを決めると、それに対応して数直線の上にそのxの数字をとる点、そのxにその関数で対応する数字をそこからの距離で表します。
さまざまなxの値を試して、それによってどうyが変化するか見てみてください。
数直線から離れれば離れるほど、そのxにはその関数で大きな数が対応していることを表しています。
いちいち数字を比べなくても、一目でどのxにどれくらいの数が対応しているのかの傾向が分かりますね。


この例ではy=−xという関数を図示しています。

このようにたくさんの点を平面の上にとっていくと、それはやがて1本のつながった線になります。
その線のことを関数のグラフと言うのです。
下のアプレットで実際に様々な関数のグラフを書いて見てください。

とりあえずy=−xのグラフについてだけ図示してあります。
実際にどの点もこのグラフ上にあることを確かめてください。

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