第11章 数学6 変分と作用

要約

関数の形自体の変化を考える変分という操作がある。作用という量を定義することができる。

目次

11.1 変分

11.1.1 関数の変化

関数の変数を少し変化させて差を考えるのが微分だったが、同じように関数の形自体を少し変化させて差を考えるということができる。 そのような操作は変分と呼ばれている。

ある関数をf(x)で表し、それに別の関数g(x)を足すと、f(x)+g(x)という関数になる。 この関数はg(x)=0でない限り、f(x)とは違う関数である。 この新しい関数をf'(x)と表してf(x)との差を考えると、

f'(x)-f(x)=[f(x)+g(x)]-f(x)

=g(x)

ということになる。 g(x)は別にどんな関数でもいいので、ある数aを掛けてa・g(x)という関数を足しても構わない。 aはどんな数でもいいので、とても小さな数でもいいはずである。 このような小さな数の掛かった関数をf(x)に足せば、

f'(x)-f(x)=ag(x)

となる。 あるいは、

f'(x)=f(x)+ag(x)

と書くことができる。 ag(x)はaがとても小さい数なので、関数としてもとても小さな関数になる。 小さな関数というのは、関数で対応する値が0に近いものばかりという意味である。 このような関数をδf(x)と書けば、

f'(x)=f(x)+δf(x)

と書くことができる。 δf(x)というのは、f(x)を少し変化させるために足す関数というのを表すためにこう書いた。 このδf(x)はf(x)の変分と呼ばれている。

変分について具体例を上げて説明する。 f(x)=xにsin xを足せば波打った関数になるとか、|x|を足せば尖った関数になるとか。

11.1.2 汎関数

このように関数の変分というものを考えることができる。 変分は関数を小さく変化させたものだが、それだけでは単に小さな関数を足しただけである。 しかし、数学では関数を変化させる変換がある。 例えば極限を通した関数の変換に微分や積分がある。 そこで、微分や積分などの変換で変換する前の関数が変分によって少し変化したら、変換によって対応する先の関数がどのように変わるのかを考えることができる。 関数は変数が変わるとそれで対応する先の数が変わる対応関係だが、今考えているのは、関数が変わったときに変換によって対応する先の関数が変わる対応関係である。 このような対応関係は汎関数と呼ばれている。 これから汎関数の例を見ていく。

積分を中心に。

11.2 作用

作用について具体的な場合を使って説明する。 重力がある場合、ない場合の作用がどうなるかなど。 それが運動に依存して変わる量だということ。

もどる
inserted by FC2 system